ニュービー・ホール Newby Hall
ニュービー・ホールは05年の旅では時間切れでゲートの前まで行って引き返した。
今年こそはと思って来ただけに何とか間に合いたい。ナビ子ちゃんの到着予定時間は16時50分と出ている。ガーデンのオープン時間は17時30分までだ。
ラストアドミッション時間は設定されていないはずだから何とか入場できるだろう。それにつけても、迷子の30分ほどの時間ロスは痛い。
霧雨そぼ降る中を飛ばしに飛ばして40分に到着した。やれやれ間に合ったと急いでエントランスに行くと係員のおばちゃんが
「これから入場するの?」と胡散臭い顔をする。「ガーデンオンリー」と伝えると。「まあ良いわ、入りなさい。でも5時半までよ」とノーチケットで入れてくれた。
Concessionでも一人£7.7のはずだ。戸惑いながらも遠慮なく入れていただく。
ガーデンに入り、写真を撮ろうとしたらカメラがない。慌てて車の中に忘れてきた。走って車に戻る。エントランスのおばちゃんが睨んでいる。
「アイ レフト カメラ イン マイ カー」で通じたろうか? 冷や汗だ。
紅葉が始まった木々が少し込み過ぎると思われる程植栽された整形式の"Autumn Garden"を通り過ぎ、ホールの南面のテラスにに出る(写真上左)。
円形のプールの真ん中に躍動感のある女性像が立っている(写真下中)。Autumn Gardenにも下左2枚の像が立っていたが、
このガーデンはスタチューやオーナメントが程良く配されている。
ホールはコンプトン家(Compton Family)の居宅として1697年に建てられたものだ。家の設計、内装デザイン、家具のデザイン、
それぞれが有名な人によるものなのだそうだ。現在のガーデンは1930年にコンプトン 少佐(Major Compton)によって設計されたものが基礎となっている。
ホールの西側に"Sylvia's Garden" がある(写真上右3枚)。コンプトン 少佐が妻のシルビア(Sylvia)のために設計したフォーマルガーデンだ。
フォーマルだが植栽の色合いをソフトにすることで静かな落ち着いた雰囲気のガーデンになっている。葉色の豊富さも素晴らしいものがある。
また、そのソフトな色合いを引き立たせるため、周囲の生け垣のイチイは色の濃いものを選んでいるのだという。参考にしたい。
写真上右のスタンダード仕立てのバラはバレリーナ(Ballerina)だ。古代の石製粉ひき器のオーナメント(写真上右から2枚目)を中心に4ヶ所に植えられている。
南面のテラスから真っすぐ南に延びているのがボーダーガーデン(Herbaceous Border)だ。"Europe's longest double herbaceous borders"と謳われる。
ホームページでは長さ140mとあるが、別のサイトでは220mとも記されている。"Google"の”衛星・航空写真”で見ると170mはありそうだ(写真下右2枚)。
ホールから南を流れる川(River Ure)まで緩やかに下る幅5、6mの芝の通路の両脇に幅4mの宿根ボーダーが整然と連なる。
繊細な色の配色からビビッドな配色まで「カラースキムの見本市や〜〜〜!」と彦丸風に叫んでみたくなる。朝から断続的に降った雨にも、乱れた部分が少しもない。
雨は上がったものの水を含んだ芝から靴に水が滲みこむのも忘れて夢中で歩く。
ボーダーガーデンを挟んで東のAutumn Gardenと対照をなす位置にローズガーデン(Rose Garden)がある(写真上左2枚、下左)。Autumn Garden同様、整形式ガーデンだ。
コンプトン 少佐の設計コンセプトが"Background is so important for Roses. At Newby we tried the experiment of a sunken garden with flagstones
and a surrounding hedge of copper beech"だという。”背景が最も重要”ということで板石を敷いたサンクン(沈床式)ガーデンにし、
周りのヘッジを銅葉色のブナの木にする試みは70年経過した今、見事に花開いている。ガーデンが締まって見える。
中央の円形プールの石製壺型噴水(Stone Urn Fountain)から滴り落ちる水が清々しい。バラだけでなく灌木や宿根草とのバランスが良い。
オベリスクなどのファーニチャーも垂涎ものだ。
写真下は昨日のハーロウ・カーの項で紹介した"Willow Weaving"のオーナメントの数々だ。力作だ。
静かなガーデンに「キャーキャー」騒がしい母と娘のカップルがいる。私が持っていたガーデンマップを指さして
「出口はどこ? もう閉まる時間でしょう?」と喧しい。「そんなに慌てなくても、まだ大丈夫。私達もこれから向かうから着いていらっしゃい」
と日本語とゼスチャーで通じるものだ。他にも沢山のガーデンがあるのだが、今回はここまで、残りは次の楽しみにしよう。母娘を引き連れ出口に向かう。
ショップで男の孫2人に木製の工作キットを求め支払いを済ませたら17時25分、最後のゲストとなった。おばちゃんありがとう。
Address | Ripon, North Yorkshire HG4 5AE |
Telephone | 0845 4504068 |
Web Site | Newby Hall |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。